vol.39 ミレニアル女子発・こだわりを徹底したフェムケア・ビジネス

近年、〇〇テックと呼ばれる、既存の業界やサービス領域にテクノロジーを活用して、新たな価値を提供するビジネスが増えている。その1つに、フェムテック(Female×Technology)がある。女性のヘルスケアにおける課題をテクノロジーを活用して解決しようというもので、調査会社のAbsolute Markets Insightsは、フェムテック関連市場が2027年までに530億ドル(約5兆7000億円)の規模まで成長すると見積もっている。

また、デジタルデバイスを含まないものの、女性のQOL向上という点からセルフケアに着目したフェムケア(Female×Care)という市場も生まれてきており、国内外でフェムテック・フェムケア市場への注目度は増しているという。

フェムケアと聞いて思い出したのは、昨年、某大学院で開催した講座の中で中国出身の女子学生から聞いた「坐月子(ズオユエズ)」の話だ。坐月子は、女性の産後ケアにまつわる中華圏の伝統的風習で、産後1ヶ月間の禁止事項として、入浴・洗髪をしない、歯を磨かない、冷たい水や食材を避ける、などがある。現代ではそこまで厳しくないものの、例えば産後の食事メニューには漢方や栄養のあるスープが含まれるなど、女性のケアについては伝統的価値観や生活様式が色濃く反映される部分もあるのだと感じた。そこで今回は、フェムケアの中でも東洋の伝統医学として長い歴史を持つ「漢方」をキーワードとしたサービスに着目した。

「Daylily」は、台湾で漢方薬局を営む両親を持つ台湾人(王怡婷氏)と、日本人(小林百絵氏)のミレニアル女性2人による、漢方のライフスタイルブランドである。女性は、身体の構造ゆえに体調や心の波が起きやすいが、そういった日々の生活や、妊娠、出産、子育てなどライフステージのすべてに、「漢方」で寄り添うことのできるブランドを目指している。

小林氏と王氏の構想から約1年かけて準備を進め、2017年にクラウドファンディングを実施。最終的に500万円の調達を達成した。それを元に2018年3月、台北に1店目をオープン。2018年11月に表参道、2019年4月~5月に有楽町、同年6月~7月に渋谷でPOP UPストアを出店し、反響を呼んだ。そして2019年9月、東京の「誠品生活日本橋」内に旗艦店をオープンし、同年11月には大阪・梅田に3店舗目を出店した。D2Cブランドとしてオンラインストアも運営しつつ、リアル店舗も順調に拡大している様子がうかがえる。

Daylilyの大きな特徴は、デザインへのこだわりだ。台湾のように漢方を日常に溶け込ませるため、20代、30代の女性も手に取りたくなるような、そして体温だけでなく気分もあげられるようなデザインを意識しているという。

3月の平日の午後、誠品生活日本橋にあるDaylilyの店舗を訪問した。あいにくの雨と新型肺炎による外出・観光自粛の影響か、客足はぽつぽつといった感じで、いつもより少ないと思われた。後で聞いたところ、

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