vol.50 タイ観光市場の現状とこれから

タイは世界的な観光大国である。2019年は海外からの旅行者数が4,000万人を超えたと言われており、国連世界観光機関(UNWTO)の発表によると、2018年度の国際観光収入は630億米ドルとなっている。旅行者数の規模は世界で9位であり、観光収入は同4位であり、タイより上位にいる国は米国、スペイン、フランスだ。また、観光収入はGDP比12.5%(グルンシィ銀行資料より)にのぼる。他のASEAN諸国のシンガポール、マレーシア、ベトナムは同GDP比が4~5%台である。あらためて数字を並べてみると、タイという国がどれだけ観光大国であるかということに驚かされる。

タイはミレニアル世代にも人気があり、タイ国家統計局によると、2018年にタイを訪れた外国人旅行者のうち、25歳~34歳までが1,000万人超と、全体の約27%を占めており、最大の割合となった。

また、昨今は、タイ政府主導でタイ観光の高級化路線が進められており、各地に増え続けている5つ星ホテル、この数年で大幅に増えたミシュラン掲載レストランも、その路線が進められた結果のひとつと言える。また、一般的にはあまり知られていないかもしれないが、タイはメディカルツーリズムも政府主導で力を入れており、観光収入を支える大きなコンテンツのひとつでもある。このように、タイ国観光者数は増加傾向であり、政府の施策も相まってその収入規模も増加し、更なる成長が予想されていた。

しかし、そこに新型コロナウイルスの波が押し寄せた…。

タイ国内では段階的にロックダウンの規制解除が進み、7月1日より、バーやカラオケ店での営業が再開され、学校も2ヶ月遅れの新学期を迎えた。商業施設等への入店時の検温、トラッキングアプリの使用や、ソーシャルディスタンスの維持など、コロナ前とは異なる新たなルールは設けられているが、タイ国内の人々の生活は徐々に新たなフェーズに向かい前進している。

この7月には、4月のタイ正月が延期された振替として、新たに2度の特別な連休が設けられた。タイ国内の内需増を促すためでもあり、先の連休(7月4日~7日)では、新型コロナウイルス規制下より開放されたタイ消費者が観光地に大挙して押し寄せたことは想像に難くない。ただ、

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