vol.52 新型コロナで復活した? 米国ミレニアル世代の消費習慣

新型コロナウイルスの流行前、米国では、ミレニアル世代の特徴的な消費志向の影響から、缶詰のマグロ、シリアル、ビール、マヨネーズなどの食品の売上が減少し、ゴルフをプレーする人、そして家を購入する人も激減するなどの市場変化が顕著になり、ミレニアル世代は様々な産業を壊滅させる、と話題になったことを覚えているだろうか。

ヘルシー志向のミレニアル世代は、ビールよりも健康効果の高いミネラルウォーターの質にこだわり、忙しいミレニアル世代は半日かけてプレーするゴルフよりも、短時間で効率的に運動できるバイクエクササイズを好み、ジムに通う人が増えた。また、米国の朝食の定番、シリアルについては、ミレニアル世代の40%が食後の片付けが面倒で、不便な朝食だと言い、シリアルの代わりに片手で食べられる健康バーを選んで食べるようになった。

ミレニアル世代の消費志向が他の世代と大きく異なる理由においては、リセッション(景気後退)による雇用市場の低迷や、学生ローンの返済を抱えているなどの厳しい経済背景が、最も大きな影響を与えたと言われてきたが、そこに、新型コロナウイルスの世界的流行が加わり、ミレニアル世代は経済面でさらなる打撃を受けた。

そこで、今回は、新型コロナウイルスの流行により、さらなる経済面での打撃を受けたミレニアル世代の消費習慣がどのように変わったのか? 流行前に“壊滅させられそうだった産業の復活”をテーマにレポートをまとめた。

2018年に発表されたレポートの中で、UBSのアナリストは、「ミレニアル世代は日々の食事をオンラインで注文して、自宅にデリバリーしてもらい食べていることから、この世代にとって、台所は必要がなくなる可能性が高い」と推測した。

しかし、パンデミックにより、一気に家庭で料理をする人が増加、ジェネラルミルズやスパイスメーカーのマコーミックを含む食品会社の多くが、直近の四半期の売上高が予想を大幅に上回ったと報告した。スーパーマーケット最大手クロガー社の報告でも、3月の売上が、通常よりも30%アップしたことが発表されており、実店舗での売上、Eコマースでの売上ともに好調な伸びを見せていた。

図①は、18歳から73歳までの1,005人を対象に実施された調査の結果だが、全体として、54%が「以前よりも料理をするようになった」と答え、46%が「ベイキング(オーブン調理)をするようになった」と回答している。また図②では、食材について、これまで使ったことがない新しい食材にチャレンジした人が全体で38%、新しい食品ブランドや商品を使った料理をした人は、全体で45%となっている。

日本でも、外出自粛要請の期間、家でパンやお菓子を焼いた人が増加し、小麦粉やベーキングパウダーが売り切れになったニュースがあったが、アメリカでも同じ現象がおこり、154%の売上増加により、売場から小麦粉が消えた。この“ベイキングブーム”はグローバル市場全体でも見られ、リサーチ&マーケットの記事によると、パンデミックの影響により、2020年3月の小麦の売上は238%増加、イースト菌は647%の増加が報告された。

家庭料理の復活は、売上高の減少が続いていたマヨネーズのV字回復ももたらし、ユニリーバ社の決算報告では、ヘルマンのマヨネーズの需要が直近の四半期の期間内で2桁成長となったことが発表されたのである。

新型コロナウイルスの影響で、アメリカの住宅ローンの金利は記録的な低金利(2%前後)となり、また在宅勤務の増加も要因となって、住宅の購入を検討するミレニアル世代が増加、住宅ローンへの申し込みが、2008年以来、最も多くなっているという。

新型コロナウイルス流行以前では、

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