vol.53 ”0%”の可能性と躍進

米国のWhole Foods Market(以下、ホールフーズ)が、2019年10月21日に2020年の食品トレンド予測を発表した。ホールフーズは毎年バイヤーや専門家による翌年のトレンド予測を発表し、注目を集めている。我々も毎年注目していたが、昨年発表された10のトレンドの中で注目したいのが【Zero-Proof Drinks】、ノンアルコール飲料だ。ホールフーズによると、世界中の有名なバーのメニューから専門店に至るまで、ユニークなノンアルコール飲料が登場しているということだ。では市場規模はどうなっているのだろうか。

Research and markets社の調査によると、 2019年には9,000億ドルを超えており、今後も大きな成長が見込まれている。こうした市場環境の中、六本木に面白いお店ができたので、今回はノンアルコール飲料について注目する。

日本の飲食店におけるノンアルコール飲料は、居酒屋や、レストランなどでの提供はされてきたが、ノンアルコール飲料の専門店は、期間限定の店舗以外、今までなかったのではないだろうか。2020年のコロナ禍の中、ノンアルコール飲料の専門店が2店舗東京都内にオープンした。 1店舗目は【Low-Non-Bar】だ。3月にオープンした同店は、ノンアルコールもしくはローアルコール飲料と、食事が楽しめるお店だ。そして、2店舗目が、7月にオープンした【0% NON-ALCOHOL EXPERIENCE】だ。今回はこちらのお店を訪れ、どんなお店なのかを体験した。

0% NON-ALCOHOL EXPERIENCEは、90分制のバーで、現在は完全予約制となっており、コロナ対策として同じ時間帯に5組以上を店内に入れないようにしている。予約をして夕方に同店を訪れてみると、店内には4組のお客さんがいた。みんな若く、カップル、女性同士での来店だ。後程、店員に聞いてみると、現在はほとんどの予約が埋まっており、日中は日本人、夜は外国人のお客さんが多いとのことだった。スタッフは日本人が2人しかおらず、私が接客してもらった女性も半分英語交じりだった。

実際の店内の様子は、バーそのもので、カウンターのほかに座席が10席ほどあったが、コロナの影響がなければ、立って飲む人もいるだろうな、と思わせる雰囲気があった。店内のこだわりとして、上から音楽が降ってくるような印象を受ける作りとなっており、店内の暖色の明かり、テーブルのキャンドルなども癒しの空間を演出していた。

メニューを見て、「ゼロ(0)になる」を注文した。フルーツとバジルの香りで、ノンアルコールではありつつも、お酒を飲んでいるような印象を受ける味で、正直驚いた。ほかにも「アイスランドバブル」なども注文したが、そちらはバブルの中に、スモークした香りを閉じ込め、バブルを破ると香りが変わってくるのがとても面白く、同店のこだわりをしっかりと感じることができた。

リラックスした空間と、お酒のように感じるノンアルコール飲料を楽しむことで十分にこの店には価値があると感じていたが、この店のこだわりはそれだけにとどまらない。

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