vol.54 タイ清涼飲料市場の新たなトレンド

昨今タイ国内のコンビニエンスストアのビタミンC飲料市場が賑やかだ。もともとタイの消費財市場は日本のそれとは異なり、新発売される商品数は少なめである。日本の様に四季がないので季節限定商品が投入し難いこと、流通の配荷に関する商習慣の違いなどの理由が挙げられる。よって、コンビニエンスストアに配荷される新商品のラインナップは、マーケットシェアを持っている大手ブランドが新味を投入することが殆どであり、新興ブランドやSMEブランドが参入及び新規発売する飲料商品の多くは、一部の果汁飲料や豆乳飲料であった。その様な背景があるにも関わらず、昨今のコンビニエンスストアのビタミンC飲料は頻繁に新たな商品が発売されている。

このビタミンC飲料市場のきっかけをつくった飲料は、ハウスオソサファフーズ(ハウス食品のタイ現地法人と現地飲料大手オソサファとの合弁企業)の「C-vitt」だ。日本では「C1000」で知られている。C-vittは、タイの市場に合せたネーミング、テイストでビタミンC飲料市場のトップシェアブランドであり、ミレニアル世代の20代~30代の女性中心に幅広く愛飲されているビタミン清涼飲料である。2018年に市場で広まり、2019年には躍進したブランドとして多くのマスコミやマーケティング業界によりクローズアップされた。

このC-vittの市場シェア獲得を契機にビタミンC飲料市場が隆盛したと言っても過言ではない。しかし、今までタイ国内飲料市場に機能性飲料の市場がなかったわけではない。古くは伝統的なツバメの巣ドリンク、鶏エキスドリンクなどだ。所謂エナジードリンクとは一線を画し、多くのタイの人々に愛されてきた機能性飲料である。

ただ、それらの伝統的な商品とは別に、新たな市場を狙った「勉強する子供向けプロテイン含有飲料」、「健康志向な消費者向けのアミノ酸飲料」、「女性向けコラーゲン含有飲料」などが大手飲料メーカーより発売されてきた。もちろん今でもコンビニエンスストアで目にすることは出来る。しかしながら、それらの新市場を狙った飲料は全てが一過性であり、消費者の注目を継続的に浴びて飲料市場を盛り上げた商品があったとは言えなかった。

しかし、現在起こっているビタミンC飲料市場の盛り上がりは、過去に起こったその一過性のトレンドとは大きく異なることが伺える。C-vittを模倣した商品が日を重ねるごとに増えていき、今では5ブランドがコンビニエンスストアで販売されており、飲料コーナーの一角を占めている。各ブランドともに成分は若干異なるものの、デザイン性も含め類似商品の域を脱した商品はまだ発売されていない。

たとえば、

Don`t copy text!