vol.56 米国ミレニアル世代が選ぶ次の大統領は?

今年の米国の大統領選挙では、ミレニアル世代が有権者の27%、Z世代が有権者の13%弱となり、全体では有権者の40%を、この二つの世代が占めることとなる。

これまでの選挙においては、過去数年間、ベビーブーマー世代による投票がもっとも大きな影響を与えてきた。2012年の選挙では、ベビーブーマー世代が有権者の半分を占め、また、歴史上どの世代よりも平均寿命が長い彼らは、その後も一貫して投票を続けてきている。そのため、これまでの選挙では、候補者が発するメッセージのターゲットを1946年から1964年の間に生まれた人々と共鳴するように、多大な時間を費やして選挙活動をしてきた。しかし2020年の選挙では、ベビーブーマー世代よりも一世代の人口数が多いミレニアル世代が有権者の中心となってきたため、選挙運動の方法も、そしてメッセージの内容も、ミレニアル世代を意識したものとなっている。

また、ミレニアル世代とともに、今回の選挙に影響を与えるZ世代に至っては、人種の多様化が顕著で、有権者の74%が白人であったベビーブーマー世代と比較すると、有権者の55%が白人、45%が非白人という人口構成であるため、彼らの存在も、今回の大統領選挙に影響を与えるだろう、と推測されている。2018年の中間選挙でみられたように、若い世代が民主党に投票する可能性は高い、と予測されており、結果、彼らの4分の3は民主党候補(ジョー・バイデン)に投票するのではないか、とも言われている。

民主党にとって、若い有権者の票は、選挙の勝敗に影響を及ぼすことから、若い世代に、より多く投票に参加してほしい、と願っているようである。今回の選挙では、有権者の10人に1人はZ世代であり、票を集めたいわけだが、実際のところ、有権者であるZ世代はまだ大学生であるため(アメリカの選挙権は18歳以上)、大学教授が投票に行くようにと促してみたところで、投票するのはわずかになるだろう、とのことである。

Z世代は、政治に関する情報の多くをソーシャルメディアから入手しているため、国内外のありとあらゆる、無責任に発せられる情報の渦の中で、本来のあるべき、正当な選挙が行われるとは信じていない、という点も問題で、彼らの投票がどれほどの影響力を持つものなのか、を疑問視し、またその影響力がもつ“世の中を変えられる”という可能性も見出してはいないようだ、と、ある大学の教授は語っている。さらに教授の見立てでは、Z世代の彼らは、今回は投票には行かず、“誰かが世界を変えてくれるのを待っている”ことになるのだろう、とのことだ。

ミレニアル世代は、バイデン(民主党候補)支持者が55%、トランプ(共和党候補)支持者が35%となり、バイデンがかなり有利と言える。(グラフ①参照)

ただ、ポジティブな投票への反応では、トランプがバイデンよりもわずかに上回っていて、大きな数字の違いは、否定的な反応にあり、明らかに、トランプがバイデンを大きく上回っている。つまり、バイデンは、トランプほどは嫌われていないが、決して、好かれているわけでもない、ということになる。(グラフ②参照)

そして、もう一つの注視する点は、若い白人有権者と有色有権者との間には、大きなギャップがあること。若い有色有権者は、バイデンに対して否定的な反応をする人が少なく、トランプに投票する確率も低い点である。

Z世代の白人有権者とミレニアル世代においては、

Don`t copy text!