vol.58 タイの乾季から見て取る今後のトレンド -キャンピング&グランピング-

タイには日本の様な鮮やかな四季が無い。ただ季節はある。タイはちょうど今週から乾季に入った。ほぼ毎日雨の降り続いていた雨季から一転、雨が降らない爽やかな気候となる。季節を感じ難いこのタイであっても、この時だけははっきりと季節の変化が感じられる。雨が降らなくなるだけではなく、気温も下がるのだ。人々の生活や嗜好も季節に合わせて変化が生じる。四季が無い国だからこそ、この感覚が新鮮である。

かつてタイの乾季の風物詩と言えば、屋外のビアガーデンであった。特にバンコクでは、ショッピングセンター前の広場やオフィスビル前の一角と、いたるところで大手ビールメーカーのブースが設置され、多くの人々が夜な夜な雨の降らない屋外でビールを楽しんでいた。ビアガーデンと言っても大掛かりなステージが設営され、大音量で生バンドの演奏があるので、さながらコンサート会場と言った様相である。以前はその様なコンサート会場が乾季になるとバンコクのいたるところで多数見ることが出来た。

時代の移り変わりとともに人々のニーズが変わることはもちろん、アルコール=反社会的と言うイメージ的なものも手伝ってか、近年は乾季になると街中にビアガーデンが登場することは変わらないものの、その規模は縮小傾向にある。では消費者がいま求めている、新たに台頭している乾季のトレンドは何なのだろうか?

バンコク都内のチャオプラヤ川沿いに面白いコンセプトのカフェが流行っているということで行って来た。有名なバリスタがいるカフェでもなければ、コーヒー豆の品種や焙煎まで細かく選べるようなカフェでもない。もちろんコーヒー自体にもこだわっているが、カフェのコンセプトはずばり「キャンピング」である。

Kamaboko Coffee Campという完全オープンエアなそのカフェは、敷地の中にところ狭しとキャンプ用テントが設置されている。カフェ以外にも、おでん、ケーキ、焼き芋のブースなどもあり、縁日的な雰囲気もある。今まで流行っていたカフェとは似て非なる新しいコンセプトのカフェであった。店内のテント、タープ、チェアなどは、全て日本のキャンプブランド製品で揃えられており、ともすれば日本製キャンプグッズのセレクトショップの様にも見えてしまうカフェである。もちろんテントやチェア以外に、カフェ内で使われているカトラリー類や調理器具も全て本格的なキャンプ用グッズで取り揃えられているという徹底ぶり。それらの多くも日本製であることに驚かされた。来客層はほぼミレニアル世代がメイン。他はその上の40代までの客層であった。チャオプラヤ川沿いにテントが並ぶインスタ映えしやすいシチュエーションではあるものの、Z世代を見かけることはなかった。

上述のカフェと同様のキャンピングをコンセプトにした別のカフェHaylo. -Craft picnic yardも訪れてみた。受付で全て事前に注文するのだが、いわゆるカフェメニューとは別に、椅子やテーブルも注文しなくてはならない。受付で発行されたオーダーシートを持ってキャンピングエリア入口でカフェセットと椅子やテーブルを受け取ってからテントに向かう。テント内で自分たちで椅子とテーブルを設置し、コーヒーを入れて(豆を挽くところから)、バーベキューの串をバーベキューコンロで焼くのだが、

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