vol.60 トランプか? バイデンか? 2020年米国大統領選の結果は如何に?

2020年の米国大統領選では、1億5,980万人が投票したことになり、この記録的な投票数のうち、7,800万票がジョー・バイデンを支持したとして報道され、トランプよりも550万票多い結果となった。
今回の大統領選においては、18歳~23歳のZ世代の65%がバイデンに投票した結果となり、この数字はほかの年齢層よりも11%多い。特に、激戦区といわれるジョージア州やペンシルベニア州などの州では、この若い有権者による支持がバイデン勝利のカギとなったことが注目された。

過去20年間にわたってアメリカの有権者の人口統計分析を行ってきた、NDN(New Democrat Network)の代表であるSimon Rosenberg氏は、この選挙結果について次のように述べている。「有権者として登録されている18歳~29歳の53%~55%の若者が実際に投票したようです。この数字は、歴史上に残る記録的に高い数字と言えるでしょう。」

さらに、若い世代を研究する団体、ジェネレーションプログレスのエグゼクティブ・ディレクターであるBrent Cohen氏は、「今回の大統領選で勝敗の決定に、もっとも影響を与えた世代は、ジェネレーションZとミレニアル世代の両方です。予備データでは、これまでに行われた大統領選の中で、彼らのような若い世代が、ここまでの高い投票率を示したのは、初めてのことと言えるでしょう。」と語った。

若い世代のバイデン支持に関しては、多くのメディアで、「若い世代のバイデンへの投票数は、バイデンを支持する結果の数字ではなく、トランプ現大統領への反対票を示す数字である」と報道されている。現役大学生で、テキサス州に住む19歳の若者は、「この選挙は、これからの大統領を決める、というよりは、過去4年間のトランプ大統領に対しての評価を示したものであったと思う。テキサス州が、赤から紫に変わるのを見るのは、とても興奮しました。そして、僕たちの手でテキサス州は青い州に変えられる時がやってきたのだと思う。」と語り、将来は公職に就きたい、と考えている彼のような若い世代が、近年アメリカでは急増していることが明確になったことも、今回の選挙では注目されている点である。

*赤い州は共和党を支持する傾向がある州、青い州は民主党を支持する傾向がある州、そして、紫は、特定の政党への支持傾向がない州で、激戦州、またはスイング・ステートと呼ばれている。テキサス州は、1984年以降、常に共和党支持を示してきた、赤い州の代表的州であった。今回の選挙では、トランプが得票数589万で52.1%、バイデンが526万で46.5%という結果。

2020年初めに始まった新型コロナ感染による経済の悪化、そして、警察官による黒人の射殺事件が発端となりスタートしたブラック・ライブズ・マター運動は、膨大な数の若い民主党有権者の投票を促した、と言われている。実際、6月初旬、射殺事件の後、これに抗議する何百万人のデモが各地で発生し、およそ110万人のアメリカ人が有権者登録を新たに行ったが、その大多数は民主党支持者だった。

今回の若い世代の投票率の高さを、現在のアメリカの状況と照らし合わせて分析すると、いくつかの要因が影響している、と言える。ひとつには、若い有権者たちは、新型コロナウイルス、失業、景気の後退、気候変動などの問題に、どうやったら打ち勝つことができるのか、を考えつつ、今回の選挙に臨んだ点である、とClean and Prosperous AmericaのリサーチディレクターであるBill McClainは言う。

また、「ミレニアル世代とジェネレーションZは、アメリカの歴史上、もっとも人種が多様化している世代であり、人口構成も他の世代とは大きく異なっている。そのため、今回の投票結果を人種に基づいて分析すると、今までの選挙とは全く異なる傾向が見えてくる。例えば、若い白人有権者の18歳~29歳の53%がトランプを支持しているのに対し、アフリカ系アメリカ人の89%はバイデンに票を入れている。また、ヒスパニックでは、バイデンが69%の票を獲得している、という結果で、若い世代における民主党の支持基盤が、大きく拡大したことが顕著となった。そして、もうひとつ、この世代に占める白人の人口比率が大幅に減ってきていることも明らかとなったわけだ。

若い有権者が今回の選挙で最も重要視した点は、

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